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リモート患者会を始めた理由

更新日:2020年8月18日

こんにちは。当リモート患者おしゃべり会の企画・運営をしております、あっきーです。

HPをわざわざ覗きに来てくださり、ありがとうございます。

この記事では、僕がなぜリモート患者おしゃべり会を始めるに至ったのかについて記しています。(以前noteに書いた文章を一部改変して載せています。)


僕は大学院で生物学を専攻している学生です。2017年の秋に悪性リンパ腫(T-LBL)に罹患し、抗がん剤治療後に造血幹細胞移植を経験しました。ドナーは弟です。

この病気をするまで、自分はずっと健康に過ごしていくのだと思っていました。ハードワークしても一晩寝れば回復するし、風邪を引いたってご飯食べてゆっくり寝ればすぐ治る人間だと。しかし、その妄想は突然、あっけなく崩れ去りました。



入院中に感じた不安

入院中、治療後に元の生活に戻れるのか。そもそも生きていられるのか。そんな漠然とした不安に襲われる夜も少なくありませんでした。

また、どんな治療をしてどんな副作用が出るのかが分からないことも不安の一つでした。がんセンターのHPでは個別の治療については書いておらず、薬剤名で調べても起こりうる副作用がたくさん書いてあります。


そんなとき、同じ病院に入院していた友人ができました。彼は偶然にも僕とほぼ同じレジメンで治療し、移植も終えていました。彼は通院の度にお見舞いに来てくれて、「個人差はあるが」という言葉を必ずつけ、彼の感じた具体的な副作用の感覚や対策を教えてくださり、本当に助けられました。治療に対しての漠然とした不安が軽くなったことだけでなく、何よりも自分の症状や状況を一番リアルに分かってくれる人がいる、という安心感に救われたのかもしれません。

普通はこんなラッキーがないにしても、大きい病院ならば患者会があるでしょうし、そこで話ができれば気持ちが楽になるかもしれません。


しかし、がん全般の患者会だったりすると副作用に関するアドバイスも全く勝手が違うでしょうし、血液疾患が対象でも想像よりも同じ病気の人にはなかなか出会いません。そもそも、血球の少ない時期に患者会に行って不特定多数の人と話すのは感染症の面で怖い人も多いと思います。(僕自身、治療中に院内の患者会に参加するときに感染症の不安はありました。)



オンラインでおしゃべりできれば…?

入院中、もしオンライン(テレビ電話など)を使ってリモートで参加できる患者コミュニティがあれば、病院に患者会がなくても、近くで開催されている患者コミュニティがなくても、気軽に参加できるなーと漠然と考えていました。血球数が低くても話ができるし、疲れたらすぐに退出できます。あらかじめ、参加する治療経験者の方のプロフィールが分かれば、移植した人や同じ病気の人、同じくらいの世代の人がいる場を選んで参加することもできます。リモートワークが広まりつつあるこの時代に、リモート患者会があっても良いんじゃないでしょうか。

だいたいこのような理由でリモート患者おしゃべり会を企画し開催しました。

第1回を開催した当時、移植してから約1年半しか経っていませんでしたし、時期尚早かなとも考えました。しかし、がんや移植を経験し、以前より一層強く感じるのはやらずに後悔するよりはやって後悔した方が良いということです。Twitterなどでのコミュニケーションで十分な人もいれば、実際に対面で同病の人と話をしてみたいという人もいると思います。綺麗事かも知れませんが、自分のラッキーを当たり前にしたい。


がんになったことを受け入れることは難しいですし、そもそも受け入れられる日なんて来ないのかもしれません。それでも、全国に同じ思いをもつ仲間を作れたら、その道のりを歩むとき少しだけ景色を見る余裕ができそうな気がするのです。




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